今週の話題「ある読者の感想」2009年5月22日
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◆ 井上豊夫の日々雑感~『商社マンの独り言』~ ◆
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今週の話題「ある読者の感想」2009年5月22日
2年前に出した拙著「果し得ていない約束」はウェブサイト「アマゾン」でも購入が可能で
今でも時々買って下さる方があり、時々三島由紀夫氏関連本で1位になったり15位になっ
たりしています。アマゾンには読者の「書評」も載っていて今までに7名の方のものが載
っています。その多くは発売直後のものですが一つだけ今年になって追加されました。内
容を見ると大学の同級生のようで専門の法律以外に自主的に中国語を勉強していた人がい
たのは覚えているのですが名前がなかなか出てきませんでした。今では多分K君ではなか
ったか?と思っています。「家業(?)の会社社長へ優雅に転身した」という部分だけは彼の
勘違いですが面白かったので転載させて戴きます。中国語学習を冷ややかに見ていた小職
が中国語を使う道に進んだのはとても「皮肉」ですか彼の言う「外国語の習得は技術ある
いは手段に過ぎないのに」は言い得て妙だと感心しました。当時「毛沢東思想」を信奉し
中国語を熱心に勉強した人々と小職は後に中国で出会うこととなり、その多くが現実の中
国に失望し、挫折し、消え去ったことも貴重な体験でした。以下K君のカスタマーレビュ
ーより転載させて戴きます。
『あの三島由紀夫が組織した「楯の会」に属していた井上豊夫氏が、三島の「檄」を未だ果たさざる約束として捉え、
これまでの生き方を綴った本である。
「東京大学では、大学当局が警察力の導入に消極的だったために、状況が泥沼化しました。1969年(昭和44年)
1月には安田講堂に立てこもった全共闘と機動隊が激しい攻防を繰り広げた結果、学生全員は逮捕されたものの、安田
講堂はいたるところが破壊され、東京大学は1969年の入試中止を発表しました。…東京大学の入試中止でこの年の
大学入試は史上最難関となり、受験生たちは志望校を変更せざるを得ませんでした。私も国立一期は一橋大学から神戸
大学に志望校を変えましたが、あえなく失敗。合格したのは上智大学と関西学院大学だけでした。」(14-15ページ)
今では語られることも少ないが、1969年の大学入試は、東大、東京教育大学(現・筑波大学)の入試が中止となり、
弱小の東京外国語大学では「暴力学生」が入試を妨害するからという名目で1科目30分という「変則入試」が行われ
た。4科目で120分だけ、あとは「内申書」で選抜という前代未聞の「奇策」だった。
こうした状況に受験生は狼狽し、志望校のレベルを下げた者も多くいた。私自身も友人が持っていた志願書を1枚もら
い、これまで一度も考えたことのない、ある私立大学を受験した。
1969年の時点では、井上氏と私は、同じような境遇で、同じ出発点にいた。当時の著者は、当然のことながら髪の
毛もふさふさしており、眼光の鋭い青年だった。しかしながら、彼自身が「楯の会」の会員であることを広言していた
ので、こういう大学にはこんな「右翼」が跋扈しているのかと思い、親交を交わすことはなかった。
井上氏が「楯の会」に熱中していたとき、私はアルバイトと市井の「中国語講習会」に力を注いでいた。この中国語講
習会には様々な人がいた。政治闘争に走った人たち、ジャーナリストになった人…。みんな「新中国」に希望を求め、
「思想」を理解する手段として中国語を学んでいた。今の学生からすれば、信じられないことだろう。外国語の習得は
技術あるいは手段に過ぎないのに…。
この本で井上氏の空白の個人史を知ることができたのだが、これまでの彼我の人生は、全くの平行線だった。「楯の会」
から家業(?)の「会社社長」へと優雅に転身した井上氏の人生は、順風満帆かどうかはともかく、華麗なる生き方で
あったことは間違いない。翻って、私はどうだったのか…? まさに人生さまざまというほかはない。
三島の「無機質な、からっぽな、ニュートラルな、中間色の、富裕な、抜け目がない、或る経済的大国が極東の一角に
残るであろう」という予言は、今まさしく的中した。これらの形容詞に付け加えるべきものは何もない。ただただ驚嘆
するばかりだ。
「日本人であること」「自分の国を守るということ」を忘れたツケは、限りなく大きく、絶望的な気分にさえなる。
この点で、ようやく著者の生き方と交差したような思いがする。』
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拙著であります。もし宜しければご高覧下さい。
『果し得ていない約束―三島由紀夫が遺せしもの』
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■主宰 井上 豊夫(いのうえ・とよお)
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(重光商事株式会社ウェブサイト。これまでの号もここで
見られます)
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