今週の話題「金城楼」2009年6月24日
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今週の話題「金城楼」2009年6月24日
重光商事を1983年4月創業する前の約10年お世話になった会社が金江商事(きんごうしょ
うじ)という会社でした。待遇面も余りいいとはいえず、年末年始の休暇も短く、12月30日
の午前まで出社した上に元旦も出社、4日から仕事でした。賞与は10年間いましたが50万
円を越えたこともなく、年収を含めてあまり話題にしたくありませんでした。けれども社会
人になって初めて勤めた会社だったので様々なことを勉強させてもらいました。大手商社と
違い全社員100名程度の中企業だったので仕事の全体像を把握することが容易でした。独立
してから経理も含めて全部自分でやるようになってもさほど困らなかったのは金江商事のお
陰だと思います。
思い出に残っているのは「土用丑の日」に毎年「うな丼」を食べさせてもらったこと(今の
会社でも継続しています)、12月28日に御用納めなのに12月30日まで仕事をしてその夜忘
年会が「金城楼」であったことです。12月30日の夜、「金城楼」で他の宴会などあろうはず
もなく毎年ギリギリまで働いて大広間を貸切っての「忘年会」は長年の年中行事であり、と
ても思い出深いものがあります。古い城下町なので旧市内には老舗の高級料亭がいくつかあ
ります。「金茶寮」「つば甚」「浅田屋」「山乃尾」「壽屋」etc. そして「金城楼」もその一つの
高級料亭でした。決して待遇のよい会社ではありませんでしたが「忘年会」だけは「一流ど
ころ」でした。
1983年(昭和58年) 重光商事を山名田勇一前専務と創った時、「毎日背広でネクタイを締
めて出社すること」「二人一緒の日程で出張に行かないこと」「儲かったら自前でゴルフ会員
権を買うこと」「儲かったら社員全員で青島へ海水浴に行くこと」などを話し合いで決めまし
た。これらの取り決めは全て実行され、今日に至っています。この話し合い以外に小職の心
の中だけの目標がありました。それは「儲かったら『金城楼』で忘年会をする」ことでした。
辞めた前の会社に対する「敵がい心」が当時はありました。
創業から数年が経ち、軌道に乗り始めたので「金城楼忘年会」を実行に移したくなりまし
た。予約しようと電話しました。毎年12月30日金江商事の忘年会をやっていたこと、自分
はその元社員で小学生の時には社長だった父に請われて大広間の舞台で小唄「河太郎」を踊
ったことがあること、などを説明しましたが冷たい反応でした。価格の話になると1人1.5
万円以上の強気一点張りでした。良く言えば老舗のプライド、悪く言えば老舗の驕りが感じ
られ、ギブアップせざるを得ず、「松魚亭」というお店で予約しました。
先週21日は小職の誕生日で満60歳となりました。「あらかん」ではなく本物となりました。
祝ってくれる子供もいないので可哀相に思ったのか6月27日会社の親睦会に同じく満60歳
を今月迎えた愚妻共々お招きを戴きました。何処かなと思いメールを見ると「金城楼」とな
っておりとても驚きました。今は辞めた会社に対する「敵がい心」は全くありません。忘年
会を断られてから20数年の時間と長引く不景気の波は老舗料亭の「プライド」も「驕り」も
消し去ったようです。幹事に料金表を見せてもらいました。Aコース 3000円、Bコース 4000
円、Cコース 5000(予約はこのコース、飲み放題)、飲み放題プラス2000円 となっていま
した。「江戸の敵を長崎で討ってもらったような」不思議な気分が続いています。
(文責 井上 豊夫)
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